
株式会社オリジナルの施工管理は、何もないスケルトン(内装をすべて取り除いた躯体だけの空間)を、人が集まる店舗に変えていく仕事です。設計士さんと職人さんのあいだに立ち、現場をまとめて一軒を仕上げます。ただ、入ったその日から全部を任されるわけではありません。先輩について現場の専門用語を覚えるところから始まり、数年かけて、少しずつ自分の現場を任されるようになります。独り立ちするまでの流れをお話しします。
施工管理は、設計図を元に職人さんや現場全体をまとめる管理業務です。プロジェクトマネジメントに近い仕事で、一日で覚えられるものではありません。だからこそ、年次ごとに身につけることが少しずつ変わります。多くの場合、こんな道筋をたどります。
最初の一年は、先輩の現場についていくところから始まります。現場の片付けや清掃、仕上げ面を傷つけないための養生といった足元のことから入り、そのあいだに、部位の名前、材料の名前、職人さんの業種や顔ぶれを覚えていきます。名前がわからないと、業者さんとのやり取りができないからです。
専門用語も飛び交います。聞き慣れない言葉が出てきたら、その場で聞いてかまいません。わからないまま流さないほうが、ずっと大事だと考えています。上司や設計士さんから言われたことは、必ずメモを取ります。
図面の読み方や工程表(現場の進め方を日程で組んだスケジュール表)の見方も、この一年で少しずつ身についていきます。墨出しのような、現場に基準を出す作業も、先輩の手元を見ながら覚えていきます。こうして一年かけて、現場がどう動いているかの全体像が見えてくるでしょう。
何度か現場を経験すると、段取りの組み方が体に入ってきます。元請(発注者から直接請け負う立場)として、職人さんへの発注や定例会(現場関係者が集まる定期的な進捗確認の会議)の進行を任される場面が増えます。
独り立ちの目安は、個人差はありますが2年から5年ほどです。手がける現場は飲食・物販・ブライダル・医療と幅広く、現場が変われば段取りも変わります。いろいろな現場を経験するほど、判断の幅も広がっていきます。
自分の現場を任されるようになると、後輩の指導も少しずつ加わっていきます。かつて先輩から教わったことを、今度は自分が伝える番です。見積りから引き渡しまでを一通り任せられる力がつくと、主任になります。主任は現場を任せられるだけでなく、人を育てられる人が務める役割だと考えています。
先輩について動き、自分の現場を任されるようになり、後輩を育てます。この連鎖の中で、人も会社も育っていきます。
施工管理と聞くと、孤独に責任を背負う仕事だと思われることがあります。私たちの現場は、少し違います。
少人数で動いている会社なので、誰がどの現場で何に困っているか、お互いに見えています。困ったときにすぐ声をかけ合える距離の近さが、入って間もない人が続けられる理由のひとつだと思っています。
落ち着いて働ける職場で、上下のへだたりも少ないほうです。立場に関係なく相談しやすく、建設業にありがちな怖い雰囲気もありません。社員の中には、もともと人と話すのが得意ではなかったという人もいます。それでも続けてこられたのは、まわりが自然に支える空気があったからだと思います。
新しく入った人が一人で問題を抱え込んでしまわないように、先輩が早めに気づいて声をかけます。社員に聞くと「困ったときに相談しやすい」という答えが返ってきます。わからないことを一緒に考えるのも、教えることと同じくらい大事な役目です。育てるというのは、教えることだけではありません。
先輩の側も、かつては同じように誰かに支えられて育ってきました。だから後輩のつまずきにも気づきやすいのでしょう。教わったことを次の人へ受け継いでいく積み重ねが、少人数でも互いに支え合って現場を進めていける理由になっています。
私たちは、誰かと一緒に現場を動かしていくことを楽しめる人と働きたいと思っています。自分から声をかけ、先回りして動ける人ほど、この仕事を面白がってくれます。
特別な資格がなくても挑戦はできます。ただ、簡単な仕事だとは言いません。覚えることも、責任を持つ場面もあるでしょう。だからこそ、ものづくりに関心があって自分から動ける人ほど伸びていきます。一段ずつ力を身につけた先には、何もない空間が店舗に変わる達成感が待っています。
最初から全部できる人はいません。だからこそ、一段ずつ任せながら一緒に育てる体制を整えています。
支えになっているのは、一人で抱え込ませない環境です。少人数だからこそ、困ったときは互いに声をかけ合えます。経験を積んできた方は、その力を早くから現場で活かせるでしょう。未経験からでも、ものづくりへの関心と自分から動く姿勢があれば、着実に伸びていけます。
経験のあるなしにかかわらず、ものづくりが好きで自分から動ける人と一緒に成長していけたら、それがいちばん嬉しいです。
Q. 入社から独り立ちするまで、どれくらいかかりますか。
個人差はありますが、自分の現場を任されるようになるのは3年目ごろです。見積りから引き渡しまで一通り任せられて主任になるのが5年目あたりで、独り立ちの目安は2年から5年です。早さよりも、その人のペースで着実に積み上げることを大切にしています。
Q. オリジナルは、どんな雰囲気の職場ですか。
立場に関係なく相談しやすく、わからないことはその場で聞ける距離の近さがあります。もともと人と話すのが得意ではなかったという社員も、現場の仕事を続けています。
Q. 女性も施工管理でキャリアを続けられますか。
続けられます。実際に、施工管理の現場から積算(工事にかかる費用や数量を算出する仕事)の担当へ移った女性社員がいます。時短勤務で働き、子どもの急な体調不良のときはリモートで対応するなど、働き方を変えながらキャリアを続けています。
Q. 施工管理の主任とは、どんな役割ですか。
主任は、自分で現場を任されるだけでなく、後輩を育てる立場でもあります。工程や品質の管理に責任を持ちながら、若手が困ったときに相談に乗り、現場の経験を次の世代へ渡していきます。技術と人を育てる力の両方が求められる役割です。