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工程表はなぜ必要で、誰が何のために作るのか

私たちが店舗工事で最初に作るのが、工程表という一枚の計画表です。現場には、電気、設備、内装、塗装など、いくつもの業者が入れ替わりで入ります。それぞれが調整せずに作業を進めると、作業場所や手順が重なり、現場が止まってしまいます。決まった日に店舗を開けるために、工程表は欠かせません。工程表は誰が、何のために作るのか。名古屋で店舗施工を行う私たちの現場からお伝えします。

工程表がなければ、現場は止まってしまう

工程表とは、いつ、どの工種(電気や内装など、工事の種類)が、どの順番で現場に入るのかを、時間軸に沿ってまとめた計画表です。着工から引き渡しまでの日程を一枚にまとめ、複数の業者の作業が重ならないように順番を整理したものと考えるとわかりやすいでしょう。

なぜ工程表が必要なのでしょうか。例えば、床を仕上げる前に什器(商品棚などの店舗備品)を運び込むと、床の施工ができません。電気の配線が終わる前に壁をふさいでしまえば、配線を下ろすことができません。

誰が先に入り、誰が後に入るのか。この順番が決まっていないと、職人さん同士がお互いの作業を待つことになり、現場はすぐに止まってしまいます。順番と日程が決まっていれば、その日にどの業者が何をするのかが明確になります。そのため、職人さんは迷わず作業でき、必要な材料や図面も、その日までに揃えておけます。

工程表は誰が何のために作るのか

工程表を作るのは、現場全体を取りまとめる立場の人です。目的は、単に日程を並べることではありません。

作るのは、設計士さんと職人さんの間に立つ施工管理者

工程表は一般的に、工事を請け負った施工会社の施工管理者が、発注者や設計士さん、各業者さんと調整しながら作成します。私たちの現場でも、設計士さんと職人さんの間に立つ施工管理者が工程表を作ります。実際に施工するのは職人さんであり、施工管理者は現場全体の段取りを担います。

私たちの現場では、工程表を作れるようになることを、成長していくうえでの一つの節目としています。入社1年目は、まず先輩が作った工程表を読めるようになることが目標です。施工の順番が頭に入れば、その日の現場が予定のどこまで進んでいるのかを、工程表と照らし合わせて確認できるようになります。

3年目ごろには、自分で工程表を作り、業者の手配や発注まで担当するようになります。ここが、自分の現場を任される独り立ちへの入り口です。独り立ちまでの目安には個人差があり、おおむね2年から5年です。工程表を読めるようになってから作れるようになるまでの間に、施工の順番を実際の現場で身につけていきます。

遅れを早く見つけて、対応するために作る

工程表を作る目的は、大きく2つあります。1つは、業者の作業が重ならないように段取りを組み、必要な材料や図面を予定どおりに揃えておくことです。もう1つは、工事の遅れを早い段階で見つけ、対応することです。

着工後の現場は、安全、工程、品質、原価の4本柱で管理します。これを4大管理と呼びます。工程表は、このうち工程管理の中心となるもので、予定と実際の進み具合を比べるための基準です。

その日に終わっているはずの作業が半分しか進んでいなければ、施工管理者はその日のうちに遅れに気づくことができます。気づくのが遅れると、職人さんを待たせることになり、費用も増えてしまいます。

一方で、早く気づくほど、対応の選択肢は増えます。ほかの業者が入る順番を変更したり、応援の職人さんを頼んだり、翌日に予定していた作業を前倒ししたりできます。遅れが小さいうちに対応することで、引き渡し日をずらさずに済みます。

店舗施工では、工程表を毎回組み直す

店舗施工では、工程表を現場ごとに組み直します。過去の工程表をそのまま使い回すのではなく、それぞれの現場条件に合わせて作成します。業態や建物の状況、営業条件などが、現場ごとに異なるためです。

オープン日から逆算して組む

店舗工事には、簡単には動かせない締め切りがあります。オープン日です。広告や予約、スタッフの手配もオープン日に合わせて進むため、予定した日を簡単に変更することはできません。

そのため、工程表はゴールとなるオープン日から逆算して作ります。引き渡し日を起点に、検収(工事完了後に施主が仕上がりを確認し、承認すること)、仕上げ、設備の設置というように、後ろから順に日程を割り付けていきます。このように逆算しておくことで、途中で遅れが出た場合にも、どの工程を調整すれば間に合うのかを判断できます。

業態と現場の制約に合わせて組み替える

業態が変われば、注意すべき工程の順番も変わります。飲食店であれば厨房設備の搬入日、物販店であれば什器の取り付け日、医療施設であれば医療機器の納め方など、重要になるポイントは現場ごとに異なります。同じ手順をそのまま使い回すことはできません。

営業中の商業施設に入るテナント工事では、さらに条件が厳しくなります。周囲の店舗が営業している時間帯には作業ができず、大きな音も出せません。作業できるのは、夜間やあらかじめ決められた時間に限られます。その限られた日数と時間の中で、工事を完成させます。

こうした条件をすべて工程表に反映し、決められた日に、残工事(引き渡し時に残っている工事)を残さず鍵をお渡しします。引き渡しの日に工事を残さないことが、私たちの当たり前です。工程表に沿って現場を進めることで、その当たり前を守り続けてきました。

決まった日に店舗を開けられるのは、工程表があるから

工程表は、いくつもの業者が入れ替わる現場を、決められた日までに完成させるための計画表です。予定どおりに現場を進め、引き渡しの日に工事を一つも残さない。目立つ仕事ではありませんが、これを続けてきたことが、私たちが大切にしてきた仕事の質です。

工事を工程表どおりに進められたとき、それぞれに作業していた職人さんの動きがそろい、何もなかった空間が店舗へと変わっていきます。段取りによって現場を進めていく手応えは、この仕事ならではのものです。

工程表を作る仕事には、施工の知識だけでなく、多くの人と調整しながら現場を進める力が必要です。施工管理という仕事や、店舗施工の段取りに興味を持った方は、採用ページから一度ご連絡ください。ご連絡をいただいた方には、現場の進め方や一日の流れについて、実際の仕事に沿ってお話しする機会をご用意します。まずは、お互いを知るところから始めましょう。

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よくある質問

Q. 工程表と施工手順書は違うのですか。

違います。工程表は、いつ、どの工種が、どの順番で現場に入るのかを日程で示した計画表です。施工手順書は、一つの作業をどのような手順で進めるのかを示したものです。工程表は現場全体の時間割、施工手順書は個々の作業の進め方と考えるとわかりやすく、両方を使い分けます。

Q. 工程が遅れたときは、どうするのですか。

まず、遅れの程度と原因を確認します。そのうえで、業者が入る順番を変更したり、応援の職人さんを頼んだり、翌日に予定していた作業を前倒ししたりして、工程を立て直します。追加で業者に入ってもらう必要がある場合、私たちは、できる限り3〜4日前までに連絡して調整します。遅れが小さいうちに気づいて対応するほど、引き渡し日をずらさずに済みます。

Q. 工程表はどのように作るのですか。

多くの場合、縦軸に工種、横軸に日程を並べた横棒グラフ形式の「バーチャート工程表」で作成します。作成には、Excelや専用ソフトを使うことが一般的です。まず工事全体の大きな流れを決め、そこに各業者の作業日を細かく割り付けます。現場が動き始めたら、実際の進み具合に合わせて更新していきます。

Q. 工程表は着工前にすべて決めてしまうのですか。

大枠は着工前に作りますが、現場が進む中で細かく修正していきます。天候や材料の入荷状況、未確定だった仕様が決まったタイミングなどに合わせて、日程を組み替えます。工程表は一度作って終わりではなく、現場の状況に合わせて更新し続ける計画表です。そのため、毎日、予定と実際の進み具合にずれがないかを確認します。

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