
名古屋で設立から57年、私たちは店舗施工の現場をまとめてきました。施工管理(設計図を元に職人や現場をまとめる管理の仕事)は、ひと昔前まで一人がすべてを背負う仕事だと思われてきました。今は違います。役割を分け、段取りを前倒しで整える進め方へと変わってきました。何がどう変わったのかを、私たちの現場とあわせてお話しします。
施工管理にきついイメージがついて回るのは、昔の働き方を見てきた人が多いからかもしれません。
かつての現場では、見積りから工程表(複数業者の作業順を整理したスケジュール表)の作成、業者の手配、当日の指示出し、施主への報告まで、一人の担当者が抱え込んでいました。図面と現場が合わない箇所が出ても、相談する相手はその場にいません。朝一番に現場を開け、夜遅くに戸締まりをして帰ります。休みの連絡も自分のところへ直接入ってきます。
店舗の工事は、決まった型がある住宅とは違います。飲食、物販、ブライダル、医療と、業態ごとに必要なものも段取りもまったく変わります。毎回違う現場を、毎回一人で組み立てます。覚えることが多く、一人で抱える仕事も増えていきました。
こうした働き方が長く続いたことで、施工管理は体力勝負の仕事だという印象が残りました。実際に大変だった時期があったのは確かです。ただ、その大変さの多くは、仕事の中身そのものではなく、一人にすべてが集中していたことから来ていました。判断する力や段取りを組む力よりも、何時間動けるかで評価されがちだったとも言えます。
先の見通しを立てる時間が取れないと、現場はどうしてもその場しのぎで動きます。図面の食い違いに着工してから気づき、職人を待たせ、やり直しが発生します。一つの遅れが次の工程に響き、最後は引き渡し前の追い込みで一気に取り返します。誰かが無理をして帳尻を合わせる現場が、当たり前のように回っていました。
店舗には開店日があります。その日に間に合わせるため、終盤で一気に詰めます。引き渡しのあとまで工事を持ち越す現場も、今の業界には残っています。一人がすべてを握っていると、どこかでつまずいたときに逃げ場がなくなります。きついと言われてきた理由の多くは、この進め方の中にありました。
私たちが今やっているのは、一人に負担を寄せない進め方です。仕事のやり方そのものを変えてきました。
私たちは元請(発注者から直接請け負う立場)として、着工前に図面を読み込みます。現場条件と照らし合わせ、合わない箇所があれば設計事務所や施主に伝え、事前に直しておきます。設計士が描いた図面と、職人が実際に動かす現場。この二つのあいだには、どうしても細かなズレが生じることがあります。どちらが悪いという話ではありません。早く見つけて手を打てば、現場が止まらずに済みます。
着工してからの「待ち」や「やり直し」が減れば、現場で誰かが慌てて取り返す場面も減ります。段取りを前倒しで整えることが、無理のない進め方につながっています。
毎週、設計・施主・業者が集まる定例会(定期的な進捗確認の会議)を開きます。決まっていないことには、その場で期限を入れます。誰がいつまでに何を決めるかをはっきりさせておけば、後になって「聞いていない」「決まっていなかった」で現場が止まることが減ります。一人が頭の中に課題を抱えたまま走るのではなく、関係者で共有しながら進めます。
現場の安全、工程の段取り、品質の確認、原価の管理。施工管理の4大管理(安全・工程・品質・原価の4本柱)も、今は一人で全部を抱え込まず、役割を分けて回しています。先輩と若手が一緒に現場に入り、見ながら覚えてもらうのも、この分業の一つです。最初から一人に背負わせることはしません。だからこそ、人見知りでも、経験が浅くても続けていける現場になっています。
建設業では2024年4月から、時間外労働の上限規制が適用されました。長時間労働を前提にしない進め方へ、業界全体が舵を切っています。私たちは規制に合わせたから変えたというより、無理をさせない現場が結局いい仕事につながると考えて、段取りと役割分担を整えてきました。急かされて作った仕上がりと、落ち着いて作った仕上がりは、やはり違ってきます。落ち着いて働ける環境があることが、続けやすさにもつながっているのだと思います。
施工管理は、一人がすべてを抱え込む仕事から、役割を分けて先に手を打つ仕事へと変わってきました。段取りを前倒しで整え、定例会で課題を共有し、図面と現場のズレを着工前に直しておく。一つの遅れが現場全体を圧迫する場面も、それによって確かに減っています。
職人ごとの腕や段取りの違いは、施工管理が調整しながら仕上がりを揃えていきます。それが元請の仕事だと思っています。一人の頑張りに頼らず、現場全体で引き渡しまで持っていきます。引き渡しの日に工事を残さない。私たちが大切にしてきたのは、そういう進め方です。
「本来の当たり前を、当たり前にする」。これは私たちの社長がよく口にする言葉です。先回りで段取りを整え、無理をさせずに、決めた日にきちんと仕上げる。派手なことではありません。それを名古屋で設立から57年、続けてきました。
きついという昔のイメージだけで施工管理を遠ざけているなら、一度今の現場を見てほしいと思います。段取りと判断で動き、人をまとめる仕事です。
施工管理という仕事の今を、もう少し詳しく知りたい方は、ぜひ採用情報をご覧ください。ご連絡をいただいたら、実際の現場の進め方や一日の流れについて、面談の際に具体的にお話しします。働き方を含めて、私たちのありのままをお伝えします。
Q. 施工管理はきつい仕事ですか。
体力だけで乗り切る仕事ではなくなってきています。昔は一人が見積りから引き渡しまで抱え込むことが多く、それが大変さの原因でした。今は役割を分け、段取りを前倒しで整える進め方が広がっています。私たちも無理をさせない現場づくりを心がけています。
Q. 施工管理は残業が多いですか。休みは取れますか。
かつては長時間労働が当たり前という時期もありました。ただ、建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、今は長時間労働を前提にしない進め方が広がっています。私たちも無理な工期を最初から組まず、段取りを前倒しで整えることで、落ち着いて働ける現場を心がけています。
Q. 施工管理の仕事は、具体的に何をするのですか。
見積りから工程の段取り、業者の手配、着工後の現場管理、引き渡しまでを担います。設計士が描いた図面を、職人さんの手で実際の店舗に立ち上げていく。その全体に責任を持って現場をまとめるのが、施工管理の仕事です。
Q. 施工管理は一人で全部を抱え込む仕事ですか。
昔はそういう面もありましたが、今は違います。役割を分け、毎週の定例会で課題を共有し、先輩と若手が一緒に現場に入ります。一人に負担を寄せないので、人見知りでも、経験が浅くても続けていける現場です。