
株式会社オリジナルは、名古屋で店舗施工を手がけて設立から57年になります。図面どおりに施工し、約束した日に、手直しを残さず引き渡す。言葉にすればどれも当たり前のことですが、私たちはこの当たり前をやり切ることを、仕事の中心に置いてきました。「本来の当たり前を、当たり前にする」とは具体的に何をすることなのか。現場での進め方をお伝えします。
私たちがずっと大切にしてきた言葉です。中身は、三つあります。図面どおりに施工すること。約束した日に引き渡すこと。引き渡しの時点で手直しを残さないこと。
どれも特別なことではありません。ただ、店舗施工の現場では、この三つをすべて揃えて毎回やり切るところに、いちばん手間がかかります。工事は着工前にすべてが決まっているわけではなく、進めながら決めていくことも残るからです。
だから私たちは、特別な方法を持っているわけではありません。当たり前のことを、当たり前の手順で、毎回きちんと最後までやる。そこに私たちの仕事があります。
引き渡しの日を守れるかどうかは、着工前の準備でほぼ決まります。工事が始まってからでは、選べる方法が少なくなるからです。
私たちは元請(発注者から工事を直接請け負う立場)として、着工前に図面を読み込みます。実際の現場条件と照らし合わせ、現場の問題点を先に洗い出しておきます。
問題点が見つかれば、その場で判断せず、設計事務所や施主にお伝えして、どう進めるかを一緒に決めます。早く共有するほど、選べる方法は増えます。着工前であれば、そのまま進める場合も、変更する場合も、無理のない形で決められます。
それでも、工事が始まってから見えてくることはあります。そのときも同じで、現場でどう収めるかを職人さんと相談し、設計事務所とも確認しながら決めます。段取りを組み替えて、工事を止めずに仕上げます。
工事期間中は、定例会(現場関係者が集まる定期的な進捗確認の会議)を開きます。設計事務所、施主、業者さんが集まり、工事の進み具合と、まだ決まっていないことを確認する場です。
ここで私たちが必ず行うのが、決まっていないことに「誰が」「いつまでに」決めるのかを入れることです。色、仕上げ、納まり。一つずつ挙げて、その場で決める順番と期限をはっきりさせます。
地味な作業に見えるかもしれませんが、工期を守るうえで、いちばん効いているのがこの場です。
担当する現場が着工したら、施工管理者(設計士さんからの指示を現場に反映させ、現場全体をまとめて完成まで導く担当者)は基本的に毎日その現場へ行きます。
工程表(現場の進め方を日程で組んだスケジュール表)と実際の進み具合を照らし合わせ、図面どおりに収まっているかを確認します。予定と違いが出ていれば、その日のうちに気づけます。早く気づくほど、ほかの工程の順番を入れ替える、応援を頼む、翌日の作業を前倒しするといった手が選べます。
現場には、業種の異なる職人さんが入れ替わりで入ります。職人さんごとに進め方が違うので、仕上がりがそろうように施工管理者が段取りを合わせます。気になるところがあれば早めに確認し、必要に応じて工程を組み替えます。全体を見て進み具合と仕上がりをそろえることも、元請の役目だと考えています。
引き渡しの日に、残工事(引き渡し時に終わっていない工事や、残っている細かな手直し)を出さない。検収(工事完了後に、施主が仕様どおりに仕上がっているかを確認し、承認すること)のときに、現場をすべて仕上げた状態でお渡しする。私たちは、ここを基準にしてきました。
鍵をお渡ししたその日から、店舗の準備が始まります。什器に商品を並べ、厨房を動かし、スタッフが動線を確認する。工事が残っていれば、その時間を削ることになります。だから、引き渡しの日にすべてを終えておきます。
設計事務所やチェーン本部のご担当者から、次の案件でも声をかけていただけるのは、この当たり前を一つひとつ積み重ねてきたからだと考えています。
図面どおりに施工する。約束した日に引き渡す。手直しを残さない。この三つを毎回そろえるために、着工前に図面を読み込んで現場の問題点を洗い出し、定例会で決めごとに期限を入れ、着工後は施工管理者が毎日現場に立ちます。
派手な話ではありません。ただ、この積み重ねが、検収の日に手直しのリストが残っていない現場をつくります。私たちは、それを当たり前として続けてきました。
店舗の工期や引き渡しについてご相談のある設計事務所・店舗運営のご担当者は、一度お問い合わせください。着工前の図面確認から検収までを、私たちがどのように進めているのかを具体的にお話しします。
Q. 「本来の当たり前を、当たり前にする」とは、具体的にどういうことですか。
図面どおりに施工すること、約束した日に引き渡すこと、引き渡しの時点で手直しを残さないことの三つです。どれも特別なことではありませんが、この三つをすべて揃えて毎回やり切るところに手間がかかります。私たちは、そこを仕事の中心に置いてきました。
Q. 残工事ゼロとは、どういう意味ですか。
残工事とは、引き渡しの日に終わらず残ってしまう工事や、細かな手直しのことです。これをゼロにし、検収のときに現場をすべて仕上げた状態でお渡しすることを当たり前にしてきました。引き渡しの後に工事が続く状態をつくりません。
Q. 検収では何を確認するのですか。
検収は、工事完了後に施主が仕様どおりに仕上がっているかを確認し、承認する場です。私たちが基準にしているのは、その日に手直しのリストが残っていないことです。鍵をお渡しした日から店舗の準備が始まるので、工事はその前にすべて終えておきます。
Q. 着工前の図面確認では、何をしているのですか。
図面を読み込み、実際の現場条件と照らし合わせて、現場の問題点を先に洗い出します。問題点が見つかれば、その場で判断せず、設計事務所や施主にお伝えして、どう進めるかを一緒に決めます。着工前であれば選べる方法が多く、無理のない形で決められます。